2013年4月10日水曜日

[E3 2010]今年のMicrosoftは「Kinect」を全面的にプッシュ! ある意味見世物小屋的な()なブース構成

「Forza Motorsport」といえばフェラーリ,rmt! ということで,今回の展示は458 ITALIA。写真映えしまくるので撮らざるを得ません  シルク?ドゥ?ソレイユを呼んでのワールドプレミアにE3直前の「Xbox 360 Media Briefing」での発表など,今年は文字どおり新世代のモーションコントローラー「Project Natal」改め「Kinect(キネクト)」一色だったXbox 360陣営。コントローラー要らずで楽しめる独特のコンテンツ類を如何にアピールするかは,今年のE3でMicrosoftに課せられた命題だったといっても過言ではない  そんなMicrosoftは,今年も例年のようにSouth Hallに出展。Kincetが遊べるガラス張りの専用ブースの周りを,「」や「」などの対応タイトルが遊べるプレイアブルスペースでぐるりと囲むようなブース構成になっていた。  これはSony Computer Entertainmentブースや,ほかのKinect対応タイトルを出しているブースも同様であったのだが,モーションコントロール技術が大きなトピックとなった今年のE3では,ゲームの画面やデモをブースの前面に配置するのではなく,あくまでも「ゲームを遊んでる人」にフォーカスを置いた見せ方をしている企業が多かったのが大きな特徴だ。  とくにKincet対応のタイトルは,ハンズフリーで遊ぶプレイヤーの姿そのものが一つの見世物(?)になっていることもあって,“楽しそうな雰囲気”をどう感じさせるかに,各社がしのぎを削っていた印象がある。 Kinectを別にしても,今年は大作の多いXbox 360。「Fable III」を筆頭にたくさんのゲームがプレイアブル出展されていた  Microsoft出展ブースでも,ガラス張りの計6部屋それぞれにKincetのプレイアブルデモが用意されていたのだが,プレイの最中は,道行く人に覗かれながらの嬉し恥ずかしプレイを強要される。さらに一通りプレイし終わってブースを出るときには,自身の遊んでいた姿を撮影した画像(絶叫マシンなどで写真を撮るあのノリだ)を手渡されるなど,アトラクションとしての楽しさをかなり意識的に見せようとしている節がある。 ずらりと並べられた新型Xbox 360と周辺機器  ちなみにKincet自体は,他社のモーションコントロール技術と比べると,良くも悪くもおおざっぱな動作認識で,それだけに体を大きく使って(動いて)プレイしなければならない(※)。大の大人が全力でプレイしている様は,ある意味滑稽ではあるのだが,ドラクエ10 RMT,それが楽しくないかといえば,そんなことはなく「楽しい!」というのが率直な感想になるだろう。  実際,遊んでいる人のほとんどが笑いながらのプレイであったあたり,Kinectが新たなゲーム体験を持ち込む!というMicrosoftの触れ込みに嘘偽りはないといえるのかもしれない。 ※ちなみに,これは当然タイトルによって差異はあるとのこと  最後に。これは余談だが,体を大きく使ってプレイしなければならないKinectは,真面目に(?)遊ぶとかなり疲れるわけだが,日本のメディア陣が「いやぁ,もっと大きく屈んで!とかインストラクターにいわれちゃって。あれはちょっとしたブートキャンプですよ」とコメントしていたのが印象的であった。……ただまぁ,デスクワーク主体の我々メディア陣の体力が一般レベルより遙かに下であろうことも,また確かだとは思うが。  ともあれ,本国北米では,今年の11月に発売される予定のKinect。価格や日本での展開についてなど,未だに不明瞭なところもあるが,対応タイトルの増加を期待しつつ続報を待ちたいところだ。 Microsoftブースの周りは常に人だかり。これは,「Gears of War 3」と「Halo Reach」のシアターブースの順番待ち。Kinectだけではなく,コアゲームでもファーストパーティが元気なのが今年のXbox 360だ
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[E3 2012]E3会場の隠れた名作「Guardians of Middle-Earth」は,「指輪物語」を題材にしたMOBA系ストラ

 Warner Bros. Interactiveは,本業の映画制作の資産を活かした「ハリー?ポッター」や「DC Comics」とったライセンスものを主体にしたラインナップが目を引くパブリッシャだが,そんななかで,ro rmt,5対5による対戦ゲームによるプレイアブルデモを公開していたのが,「指輪物語」を題材にした「Guardians of Middle-Earth」( / )だ。  実はこのゲーム,PCプラットフォームでは大人気の「Defense of the Ancients」や「League of Legends」などで知られる,「MOBA」(Multiplayer-Online Battle Arena)と呼ばれる種類のチーム対戦ストラテジーに属するタイトルだ。しかも,チーム対戦の面白さはそのままに,まだまだ未開拓なPlayStation NetworkとXbox Live向けに,ゲームパッドでも楽しめるよう設計されたゲームなのである。  MOBAについて少し解説しておこう。これは簡単に言うと,ストラテジーゲームにRPGやアクションのような要素を詰め込んだオンラインゲームである。一般には「DOTAゲーム」と呼んだほうが通りはいいが,年内にValveから「DOTA 2」というゲームがリリースされる予定になっていることなどもあり,欧米でのジャンル名としては,この「MOBA」という名称が使われていく流れになっているようだ。  とにかく,そうしたMOBAジャンルにあるほかの作品と同様,このGuardians of Middle-Earthでは5人ずつに分かれた2つのチームが,ほぼ左右(もしくは上下)に均等なマップで戦いを繰り広げていく。双方の勢力の陣地からは,AIコントロールの歩兵達が自動的に生産されて3つの“レーン”を通って敵陣に向かって進んでいく。この戦いに影響を与えるのがプレイヤーが使うヒーローキャラクターであり,本作の場合はガンダルフ,アラゴルン,レゴラス,ゴラム,サウロンといった原作の主要キャラクター達から選択可能となっている。ゲームのローンチ時点で,双方の勢力に10人ずつのヒーローが用意されるという。  ヒーローキャラクターは,ドラゴンクエスト10 RMT,「Warden」「Mage」「Striker」「Warrior」そして「Defender」というキャラクタークラスに分類される。筆者が座った席は,ドワーフ族を代表する名家の1つであるオーケンシールド家の「スライン」(Thrain)というヒーローユニットがセッティングされていた
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2013年4月7日日曜日

連載「キャラゲー考現学」第32回:「MELTY BLOOD Act Cadenza Version B」_1

 MELTY BLOODの制作を主に担当したのは「月姫」を制作したサークルではなく,「2次創作格闘ゲーム」を得意とする別サークルだという部分も,実に“同人ゲームらしい”展開であった。もっとも,ストーリーモード部分では「月姫」の制作スタッフが協力しており,2サークルの共同制作という形になっている。  MELTY BLOODが同人ゲームとして最初に登場したのが2002年12月。その後の2004年5月,バランス修正や,ストーリーモードの後日談的な位置付けとなる「アーケードモード」が加わった追加ディスク「Re?ACT」が登場した。  ここまでは「同人ゲーム」の範疇だったのだが,2005年3月にRe?ACTにキャラクターを追加してバランスを調整した「Act Cadenza」が,アーケード版格闘ゲームとしてリリースされる,ドラゴンクエスト10 RMT。これが2006年8月,プレイステーション2に移植/発売された。そして,プレイステーション2版をベースにしたアーケード版のVer.Bが登場,これをWindowsに移植したのが,今回のAct Cadenza Ver.Bということになる。  さて,大本になった「月姫」は「伝奇ストーリー」に属するビジュアルノベル形式のゲームであり,決して格闘ゲームではない,rmt。同人ゲームとしては異例ともいえるボリュームと,高いクオリティのストーリーが評判となり,「月姫PLUS?DISC」や「歌月十夜」といった関連作品も発表されるなど,同人ゲームとしてあまり類を見ない大ヒットとなった。参考までに述べておくと,MELTY BLOODは単純にキャラクターを利用した派生作品ではなく,ストーリーモードでは月姫および歌月十夜に続く物語が語られるという,れっきとした“続編”である。  登場キャラクターは「突然主人公の前に現れた謎の少女」「気さくで物腰は柔らかいが,実は裏稼業(?)を持つ学校の先輩」「幼い頃から別々に育てられた妹」「久しぶりに戻ってきた実家にいた使用人の姉妹」など,ライトノベルにも通じる人間関係を用意しつつ,菊池秀行や夢枕獏のライトノベル系伝奇モノにも似たストーリーを展開する。  Act Cadenza Ver.Bはその番外編的作品であり,「月姫」の登場キャラクターを利用して原作ファンが楽しめるだけでなく,格闘ゲームとしてもなかなかの完成度を持った作品に仕上がっている。 シエル志貴の学校の先輩。物腰が柔らかく気さくな人だが,実は聖堂教会の異端審問組織「埋葬機関」の代行者として,神に代わって異端を排除する役目を持っている。なぜかゲーム中の食事シーンでは,必ずカレーを食べている。また,月姫本編のバッドエンド後にヒントを教えてくれる「知得留先生」(しえるせんせい)として,ネコアルク(ェイド)と共に漫才を繰り広げる。そちらのほうがインパクトが強いせいか,シエル本人の人気はいま一つとの噂も。 (CV:佐久間紅美) 翡翠遠野家の使用人で,食事を除く家事全般と志貴の世話を受け持つ,寡黙で無表情なメイドさん。「月姫」の最初の版における誤植「お部屋をお連れします」などから,だんだんギャグキャラと化してしまい,「あなたを,犯人です」を決めゼリフとするネタが生まれるなど,ある種いじられキャラ化している。Act Cadenza Ver.Bでは別キャラとして「メカヒスイ」なるものまで登場しており,いじられ度合いが増している。 (CV:松来未祐) 琥珀遠野家の使用人で,翡翠の双子の姉。いつも笑顔を絶やさない。本編ではその理由がきちんと設定されていたが,以降の作品ではただはっちゃけているだけのようにも見える。薬学の心得があり,さまざまな薬を調合しているらしいが,Act Cadenza Ver.Bのなかでは,単なる火炎瓶使いのように見えなくもない。その点では,某化学部の予算獲得のために戦う女子高生を思い出すが,まあ関係ないだろう。一応MELTY BLOODのシステムには,「技の相殺」が取り入れられてはいるのだが。 (CV:高野直子)
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超大物タイトルがプラチナコレクションで登場。未経験者にとっては最高の贈り物になる「Halo 3」!_1

Haloシリーズやってないの? もったいない!  2月26日にプラチナコレクション(廉価版)が発売された,Xbox 360用FPS「」(ヘイロー 3)は,Xbox 360ユーザーにとってはマストアイテムといってもいいほどの大作だ。海外における“ライトゲーマー”という言葉には,“Haloしかプレイしない”という意味合いすら含まれることもあり,Haloシリーズが世界的に,どれほど受け入れられているかを物語っている。全世界におけるシリーズ累計販売本数が約2500万本というのも,伊達ではない。  2001年に初代Xbox版として発売されたFPS「Halo」は,ゲーム史における“Halo以前”“Halo以降”という区切りを生んだ名作。そのシリーズ最新作であるHalo 3がプラチナコレクションに登場するということで,その魅力をあらためて紹介していきたい。 ※本稿で使用しているムービーは,筆者のフレンド達に許可を得て撮影/掲載したものです なぜHaloシリーズは誰でも楽しめるのか?  元々,FF14 RMT,コアなゲーマーしか遊ばないジャンルとして認識されることの多かったFPS(ファーストパーソンシューター)だが,Haloはその固定観念を見事にぶち壊してくれたタイトルだ。このゲームの成功があったからこそ,「家庭用ゲーム機でもFPSは受け入れられる」ということを他のメーカーが認識し,ユーザーは「FPSはコアゲーマーだけの楽しみではない」と確認できたのだ。  その理由はいたってシンプルで,Haloシリーズには,FPSでおなじみの“お約束事”がすべて詰まっているのだ。Haloが最初に採用したわけではないシステムもあるが,多くのユーザーにその魅力を伝えたのは,Haloシリーズだと言っても差し支えないだろう。 (1)二つのスティックでの操作  Haloシリーズでは,二つのスティックでキャラクターを操作する。これにより,マウスとキーボードがないコンシューマゲーム機でも,FPSが快適に遊べる (2)敵の武器が拾える  敵の武器が拾えるというのも珍しい仕様ではないが,これをプレイヤーがごく自然に行えることで,弾数制限が難度上昇へと直結しなくなる (3)乗り物を駆使して戦う楽しみ  多彩な乗り物を利用しての移動や攻撃は,ro rmt,本来であれば一本調子になりがちなFPSの戦闘に,メリハリとさらなる戦略性をもたらす (4)体力の回復  多少消耗しても,身を隠してしばらくじっとしていると,体力が回復する
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2013年4月5日金曜日

聖地タイステが歓声に沸いた。「スパIV AE」のトーナメントとエキシビションで盛り上がった「ウメハラPRE

。普段から仲が良い2人だけに,ウメハラ氏からも試合前に「絶対に負けたくない相手」と煽りの入ったコメントが飛び出した。 マイクパフォーマンスで互いにあおり合うウメハラ選手とボンちゃん選手  そして始まった決勝戦。試合展開は,弾の撃ちあいに分のあるサガットがタイガーショットの弾幕を張り,それをかいくぐって接近戦を仕掛けるリュウという構図となった。2-2までもつれた最終戦の決着は,画面端にサガットを追い詰めたウメハラ選手が,ボンちゃん選手が動けなくなったところに,歩いて投げを通すという形でつけられる。企画者であるウメハラ選手が,見事EVO前哨戦を制する形で幕となった。    ハイレベルな試合の数々に,FF11 RMT,大きな盛り上がりを見せた本イベント。もう間もなくに迫ったEVO2012では,今回に劣らず熱い戦いが展開されそうだ。格闘ゲームファンは,7月5日からスタートするEVO2012にも期待しよう。 左からふ?ど選手,にゃん師選手,ウメハラ選手,ボンちゃん選手,かずのこ選手,DQ10 RMT。各選手にEVOへの意気込みを聞いたので,以下に掲載しよう。 ふ?ど選手「去年は優勝したんですが,今年は三日目に残るのを目標に頑張ります」 にゃん師選手「EVOは去年も行って,2回目の出場になりますが,前回はプールを抜けられず惨敗してしまったので,今年はプールを突破したいですね。突破した後は,(トーナメント表の)近くにいるふ?ど君に嫌がらせできればいいと思います(笑)」 ボンちゃん選手「EVOは格闘ゲームの中でも一番大きい大会なので,活躍したいですね。初出場ですけど頑張ります」 かずのこ選手「Evoは憧れの舞台だったので,そんな中でもいつもの実力が発揮できるように頑張ります。応援よろしくお願いします」 もう一つのメインイベント,ウメハラ氏vs.市川氏のエキシビションマッチ  市川 脩氏  企画者であるウメハラ氏の優勝という,最も盛り上がる形となった今回のトーナメントだが,今回のイベントのメインはもう一つある。それがトーナメント開催の前に行われた,ウメハラ氏と市川 脩氏とのエキシビションマッチだ。市川氏は脳性まひという障害により両手両足が不自由で,電動車椅子での生活を送っているプレイヤーだという。  自身も格闘ゲームプレイヤーである市川氏は,以前からEvolutionに興味を持っていたそうなのだが,今回,EVO事務局側とアメリカのプレイヤーからの招待があり,EVO2012に参加することになったそうだ
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稲船敬二氏はソーシャルゲームの戦国時代を勝ち抜き“神”の座を狙う? 「OGC 2012」の基調講演「ゲーム

。  そして稲船氏は,自身が以前から取り組んでいる“日本×海外”という掛け算を挙げ,各国の違いを認識し,長所を混ぜ合わせて化学反応を起こせば,さらにいいゲームが生まれるのではないかと期待を寄せていると話す。また,その過程においては大変だと感じる部分もあるが,それ以上に掛け算から生じた結果の大きな価値と比較すれば,取るに足りない程度の苦労であるとも話していた。  そうした取り組みは,稲船氏自身の会社であるcomceptのプロジェクトでも実践されており,現在は未発表のものも含めて多彩な企業や業界とのコラボレーションを進めているという。コンシューマゲーム出身だから,コンシューマゲームだけ作っていればいいという姿勢は,引き算の考え方に近いと稲船氏は述べ,それでは結局カプコン時代以上のものを作り出すことはできないだろうと語る。  そんな状態を他人から指摘されたくないし,氏自身もそうした状況に陥りたくないという考えから,掛け算もしくは足し算による凄い結果を求めて,未知の業界や未経験の分野に乗り出しているとのことである。ちなみに今は“稲船敬二×ソーシャルゲーム”が一番楽しいそうだ。  ここで稲船氏は,これまでの自身の言葉を振り返り,「偉そうなことを言ってきたのだから,結果を出さないわけにはいかない」と述べる一方で,「でも,ステップアップのためにコピーのようなタイトルを出すことがあるかも」とも話し会場を沸かせた。もちろん,この発言の裏には基礎となる部分を理解したうえでなければ効果的な掛け算ができないという意図があり,恒常的にコピータイトルを垂れ流すという意味ではもちろんない。  さらに稲船氏は,自身がコンシューマゲームで築き上げた実績が自身の母数であり,相手がそれを大きいと取るか小さいと取るかも重要であると話す。現在は,氏の母数を大きく評価している──すなわち氏を信頼している相手としかコラボしていないとのことだが,その理由の一つは掛け算して大きな成果を出すためであり,もう一つは氏自身のモチベーションを高めるためであるという,ドラゴンクエスト10 RMT。稲船氏は,氏を信頼して任せてくれるならモチベーションが高まり,さらにいい成果を出すことに繋がるだろうと話していた。  講演の終盤で,稲船氏は,いいアイデアを持っていても,成功する人とそうでない人がいることに言及する。氏は「自分ごときが考えつくアイデアは,同時に誰かが考えているはず」と考え,とにかく早く実現することを心がけるそうだ
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2013年4月4日木曜日

日本市場参入を決めたヘッドセットメーカー「Turtle Beach」。共同設立者に聞くその歴史と狙い_5

。 Romano氏:  製品開発における弊社の大きな特徴としては,(市場調査重視という氏の発言からも想像できるように)ユーザーのニーズというものにいつも一番重きを置いていることが挙げられます。「ものすごい量」の顧客調査やユーザーアンケートを常に行っているんですよ。  ユーザーが欲しがっている機能,あるいはいらないと思っている機能を,常にフォーラムやblogなどから吸い上げて製品開発に取り入れ,ラインナップの追加や調整を行っています。  また,ユーザーに集まってもらって,その場でよい点や悪い点を指摘してもらう「Focus Group」(フォーカスグループ)というのを北米のメーカーはよく行うんですが,弊社でも,常に時間と予算を投じてFocus Groupに取り組んでいます。 Turtle Beachの公式サポートフォーラムより。Xbox 360との接続方法を解説したページだが,びっくりするくらい細かく説明されている(※サムネイルをクリックすると,別ウインドウで縦3699ドットの画像を表示します) :  そういったお話は欧米のメーカーからよく聞くのですが,そのたびに不安になるのは,「果たして同じ試みが日本でも行われるのか」ということです。  Turtle Beachの場合,北米のサポートフォーラムで公開されている情報は充実していて,これを見ればたいていの問題は解決しそうだという手応えがあるのですが,ro rmt,一方で,製品に付属しているマニュアルは驚くほど簡素で,マニュアルだけを頼りに設定しようとすると,難度が相当に高い。そして,詳しい情報は英語でしか提供されていません。  製品の完成度が高く,サポートフォーラムも充実している一方で,日本語化はまったくなされず,それゆえにまったく成功できなかった海外メーカーは,枚挙に暇がないほどです,rmt。「日本人は全員が全員,英語を読めるわけではない」という問題にはどう対処していくつもりですか。 Romano氏:  あくまでもこれから参入するわけなので,今すぐすべてを用意するのは難しいと思いますが,段階的に,北米で行っているサポートは日本語でも行っていく予定です。また,製品ボックスやサポートフォーラム,マニュアルやSNSもすべて日本語化していく計画ですよ。  ソーシャルメディアやblog,フォーラムを活かしたバイラルマーケティング(※口コミを利用したマーケティング手法のこと)で,できる限り多くのユーザーの声を拾っていくという姿勢は,日本でも一貫して変わりません
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枠が500名分追加! 東洋風MMORPG「METIN2」のクローズドβテスター計700名を引き続き募集中_1

 Sankandoは現在,栄箫LMMORPGで12月17日から12月20日まで実施するクローズドβテストのテスターを募集している。募集期間は12月13日23:59まで。  でもすでに200名分の読者枠の募集をの記事で行っているが,本日(12月10日),500名分を追加してもらい,合計で700名分の募集枠を用意してもらった,ドラゴンクエスト10 RMT。興味のある人はCBT要項をチェックして,下記のURLから応募してほしい。  なお,前回の記事を見てすでに枠(200名分)に応募した人は,再度応募する必要はないのでご安心を,FF11 RMT。募集要項は募集枠の人数以外、のものとまったく同じだ。 #####以下,リリースより##### ※に掲載した記事の,募集枠の人数のみを変更したものです 「METIN2」CBT概要 ●募集枠:700名(既存の200名分+追加の500名分) ●募集締め切り:12月13日(月)23:59 ●抽選結果発表:12月15日(水) ●アカウント登録(当選者様限定):12月15日(水)?クローズドβテスト終了まで ●ゲームクライアントダウンロード開始:12月16日(木)17:00 ●クローズドβテスト開始:12月17日(金)17:00?12月20日(月)22:00 クローズドβテスト(CBT)注意事項 ※ CBTは、正式サービスに向けたバグや負荷の検証、ゲームバランス調整、テキストの充実を目的として、ユーザー様のご意見をいただくためのテストサービスとなります。 ※ CBTは、クローズドβテストに当選された方のみご参加いただけます。 ※テスト終了後、オープンβテスト実施時には、ユーザー様のご意見、ご要望を元にバランス調整の実施や多数の追加機能を実装予定です。 ※CBT終了後、テスト期間中に作成したキャラクターデータは『キャラクター名』『職業』『友達登録状況』の基本設定を除き全てリセットされる予定となっておりますので、予めご了承ください。 ※テスト期間及びテスト内容は、開発状況により予告なく変更になる場合がございます。あらかじめ、ご了承ください。 ※C BT実施中は、一部の機能が制限される場合がございます。予めご確認いただき、ご了承いただけますようお願い申し上げます。今後ともMetin2をよろしくお願いいたします。 クローズドβテスト参加特典 クローズド期間中にゲーム内にて自身のキャラクターを作成し出身国をお選びになった皆様へ、クローズドβテスト参加特典としまして各街をモチーフカラーとした「半被」を次回オープンβテスト時にプレゼントいたします! ●プレゼント対象者:クローズドβテスト期間中、キャラクターを作成し出身国を選択したアカウントをお持ちの方 ●プレゼントアイテム:はっぴ(仮)黄色、赤、青の3色の中から1個 ●プレゼント配布時期:オープンβテスト開始時に配布予定(倉庫の中) ※はっぴ(仮)の色は、各国毎に違う色となるため、クローズドβテスト時に最初に作成したキャラクターの出身国の国旗の色となります。 ※はっぴ(仮)は1アカウントに1個の配布となります。 進努 女巫女 新授 女巫女 天調 女武士 天調 男武士 天調 男刺客 天調 男修羅 天調 男巫女 武士 刺客 修羅 巫女
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2013年4月2日火曜日

“数字が好きな大人”にもお勧めのタイル配置型ボードゲーム。名作童話を元にした「星の王子さま ボードゲ

 「たいせつなことはね,目に見えないんだよ」
 そんな印象的なフレーズで知られる名作童話「星の王子さま」を題材としたボードゲーム「星の王子さま ボードゲーム 日本語版」(以下,星の王子さまボードゲーム)が,2013年2月16日,ホビージャパンより発売となった。現在全国のアナログゲームショップで入手可能で,価格は2730円(税込)だ。

 フランスの作家,アントワーヌ?ド?サン=テグジュペリの代表的な作品として知られる「星の王子さま」は,“小さな星の王子さま”が「ほんとうにたいせつなもの」を探して旅する物語で,世界中の読者に愛される作品である。そのエッセンスを凝縮し,ボードゲームという形で再現したのは,同じくフランスの名ゲームデザイナー?ブルーノ?カタラと,などのゲームタイトルで知られるアントワーヌ?ボゥザのタッグ。サン=テグジュペリのオリジナルアートワークを用いたタイル配置型のボードゲームで,子供から大人まで,多くの人がプレイできるタイトルに仕上がっている。
 シンプルなルールは,農場系のソーシャルゲームにも似た楽しみがあり,また美しいイラストはインテリアとしても通用しそうだ。筆者もさっそく遊んでみたので,そのレビューをお届けしよう。

サン=テグジュペリのオリジナルイラストが美しいボックス。プレゼントとしても最適かも?


■原作「星の王子さま」とは

 フランスの作家?サン=テグジュペリによって,1943年に出版された童話作品。児童文学でありながら,寓話的な示唆に富んだストーリーと,作者の自筆による,愛らしいアートワークで人気を博し,世界各地で高い評価を得た。
 物語の語り手は,絵描きの道を諦めて,飛行士になったという「ぼく」。ある日砂漠に墜落した「ぼく」は,そこで“小さな星の王子さま”を名乗る不思議な少年と出会う。食料も水も残り少なく,途方に暮れる「ぼく」の話相手となった王子さまは,自身のこれまでの旅について語り始める。
 例えば,王子さまの星は住人が王子さま一人きりであること。その星にはコンロのようなサイズの小さな活火山がふたつ,休火山がひとつ,あとは,どこからともなく飛んできた種から生えた花が一輪咲いていること。唯一の話し相手であった,その花と喧嘩したことで,星から旅立ったこと。そして幾つかの小さな星を巡った後,地球にやってきたこと。
 たくさんの話を聞き,やがて王子との別れの時が訪れる。「ぼく」は奇跡的に飛行機の修理に成功し,王子さまに別れを告げる。そして「ほんとうにたいせつなもの」を見つけた王子さまは,再び自身の星へと戻っていくのであった。

原作は岩波少年文庫版(内藤 濯 訳/1953年初版)がよく知られている


ぼくの星を作ろう!


 星の王子さまボードゲームは,非常にシンプルなルールの,タイル配置型ゲームである。
 80枚あるタイルには,原作のアートワークを使用した小さな星のパーツが描かれており,これを縦4×横4に16枚並べ,各自が「ぼくの星」を作っていくのがゲームの基本となる。タイルには「惑星の中央」「惑星のふち(上り坂)」「惑星のふち(下り坂)」「キャラクターが写った星空」の4種類があり,各4枚ずつをゲーム中に獲得して,丸い惑星を作っていく。


 星が完成したら,四隅の「星空」に配置されたキャラクターと,各タイルに描かれた絵の内容(星/動物/バラ/街灯/バオバブの木/火山)によって点数が決まる。もちろん,より高い点数を取った人が勝ちだ。後は,以下の3つのルールを覚えればいい。

その1:タイルのとりかた


 タイルを「惑星の中央」「惑星のふち(上り坂)」「惑星のふち(下り坂)」「キャラクターが写った星空」の4種類に分けて山にする(プレイ人数が5名より少ない場合は,その分のタイルをあらかじめ減らしておく)。
 親となるプレイヤーは,任意の一つの山から,プレイ人数分のタイルを引き,表にする。表になったタイルの中から,親が好きな1枚を獲得し,次のプレイヤーを指定する。指定されたプレイヤーがさらに1枚のタイルを取って,また次の人に順番を回す。全員が1枚ずつタイルを取ったら,最後の人が親となって,以降,これを繰り返す。

4つの山から1つ選び,4枚のタイルを公開する

その2:バオバブの木


 バオバブはアフリカに生えている大きな樹木だが,「星の王子さま」の星には少々大きすぎる。原作では,3本のバオバブの木を放置した結果,その星が破裂してしまった,というエピソードが登場する。
 ボードゲーム版では,バオバブの木が描かれたタイルが3枚集まると,その3枚が一気に裏返ってしまう。裏返えったタイルには何も描かれていないため,結果として寂しい星になってしまうのだ。
 バオバブの木を得点にできるキャラクター(庭師)や,裏返ったなにもないタイルを得点にできるキャラクター(「呑み助」)もいるので,一概にそうとは言えないのだが,バオバブの木は基本的にプレイヤーにとって危険なカードである。


その3:火山が多すぎるのはマイナス


 最終的な得点計算の段階で,火山が描かれたタイルをたくさん持っている人は注意が必要だ。プレイヤーの中で,火山が一番多い人は,その火山の数だけ減点を受けてしまう。一番多い人が並んで複数いるなら,その全員がマイナスとなる。また,最終的に最高得点が複数いる場合,火山の少ない方が勝ちとなる。


点数計算はキャラクターとともに


 タイルを並べ終わって「星」が完成したら,四隅の星空に描かれたキャラクターごとに「だいじなもの」を数える。これが得点計算である。

■キャラクター一覧


    さまざまなキャラクタータイル


    おとなは数字がすき!


     星の王子さまボードゲームは,箱にも「対象年齢:8歳以上」とあるように,基本的には子供向けのボードゲームだ。しかし,原作の「星の王子さま」が単なる童話に留まらないように,本作にも「おとな」がプレイするに耐えうるだけの「駆け引き」が用意されている。そう,原作になぞらえていえば,「おとなは数字がすき」なのだ。無垢ではなくなってしまった「おとな」のために,本作のメカニクスについて,少し解説してみよう。

    その1:得点方式を読め!


     本作ではキャラクターごとに得点方式が異なるので,選んだキャラクター同士で,得点の獲得方法が矛盾しないようにするのが重要になる。
     一部のキャラクターを除くと,同じキャラクターのタイルが2枚ずつあるので,同じキャラクターで揃えた場合,その効果は累積する。なので同じキャラクターで揃えられるならそのほうが良いし,FF11 RMT,それができないなら,なるべく反発しない効果のキャラクターを選ぶことを考えた方が良い。
     例えば,動物の種類を数える「狩人」と,ヒツジの種類が得点になる「王子さま」は同じタイプのタイルを集めることで高得点を狙える。ただし,バオバブの木でタイルが裏返った場合は,被害が大きくなりやすいので,注意が必要だ。


     早い時期にキャラクターを決めてしまうのは,ゲームの作戦を確定するのに有意義だが,4枚すべてを序盤で決めてしまうと,後半かなりハードな点数計算を強いられることになる。また適切なタイルを取り損ねた場合も,リカバリーは難しい。
     できることなら,最後の4枚目は残り5枚あたりまで粘ってから,状況を見て自陣に組み入れたいところだ。

    その2:ドラフトで場を制圧せよ!


    「呑み助」は,この「バオバブ回し」に対する有効な切り札だだが,ドラゴンクエスト10 RMT,1枚しかないうえに,序盤に出てこないと戦術的な判断には使えない。また,4人以下のゲームの場合は,そもそも山から出ない場合もある
     先手プレイヤーが公開した中から,順番にタイルを選ぶのは,トレーディングカードゲームなどで用いられるカードドラフトの応用なので,やりこめば非常にスリリングなプレイが可能だ。その際にドラフト独特の戦術がいくつかあるので紹介していこう。

     まず純粋に自分の得点を伸ばすための「素直な選択(友好的ドラフト)」。自分の得点が最大化するようにタイル選び,同じ点数ならば,バオバブの木や火山などのリスクを抱えない選択をする。このスタイルには,場の緊張感がそれほど上がらない利点がある。
     次に,ほかのプレイヤーにマイナスを押し付ける「攻撃的な選択(敵対的ドラフト)」。バオバブの木がすでに2枚あるプレイヤーがいたら,その人がバオバブの木を取らざるをえないよう,タイルを残す。ほかのプレイヤーとの共謀が必要になるが,有効な攻撃方法だ。

     さらに最終局面では,自分の得点にはならないが,他人の有効なタイルを横取りするカット戦術も有効だ。「庭師」へのバオバブの木や,「王様」へのバラは,うまくカットできれば,7点もしくは14点の点差となって現れる。

    その3:残り物にも福がある!


     本作におけるドラフトは,次に手番となるプレイヤーを指定できるため,回す順番にも作戦がある。たとえばバオバブの木が2枚あるプレイヤーは,どれほど点数が高くなるタイルでも,バオバブの木があるタイルは選択できない。
     また最後になったプレイヤーが次に親になるので,タイルを選ばせても点数に影響しないなら,得点トップのプレイヤーを早めに指定して,そのプレイヤーに親を回さないというのも一つの戦術だ。

    プラス要素を取るか,相手にマイナス点を押しつけるか……非常に悩ましいドラフト

    その4:安定した得点源を


     本作で勝利しようと思うと,必要な獲得点数の目安はおよそ40点超。つまり四隅に配置されたキャラクターの稼ぐ得点が,それぞれ10点以上になる形を目指すことになる。
     「王様」「庭師」は,獲得点数が7点,14点,0点のいずれかで,14点を取るには運と技術が必要な玄人向けのキャラクター。「呑み助」は狙ってバオバブの木を取っていけば,最高18点が狙えるが,中盤から取りはじめても10点はなかなか難しいだろう。「王子さま」をはじめとした,それ以外のキャラクターは,安定して10点前後の得点を狙える。
     これらを踏まえて,安定した点数源となるキャラクターと,勝負に出るキャラクターを意識的に配置していこう。軽んじられがちな「天文学者」や「点燈夫」も,意外に安定した得点源となる。


    ボードゲームの事始めに最適の一作


     「星の王子さまボードゲーム」は,広く万人にお勧めしたいボードゲームだ。
     原作の雰囲気を残した美しいイラスト,子供でも遊べるシンプルなルール,自分の星を作るという「遊び心をくすぐる」趣向が素晴らしい。ルール説明は1分で終わるし,1回プレイすれば,すぐに要領もつかめる。初心者向けに多少丁寧に説明しながらやっても,1時間はかからない。1ゲームは通常30分ほどもあれば終わり,プレイ人数も2?5名と,融通が効きやすい。価格も2730円(税込)と手が出しやすいため,ボードゲームが初めてという人にも勧められるだろう。原作が有名なこともあって,ボードゲームの事始めには,最適な一作だ。筆者がテストプレイしたときも,ゲーマーでない妻が最初にハマってしまったくらいなので,本稿を読んだ読者も,ぜひ友達を誘ってプレイしてみてほしい。

    高得点を狙うだけでなく,「日没だらけの星」など,ユニークな星を作る楽しみも

     その一方で,ベテランゲーマーでも楽しめる要素が揃っているのも見逃せない。コアなゲーマーを4人集めてプレイすると,各自のポイントを随時計算しながらのハードなドラフト戦が展開される。キャラクターやタイルのパターンを暗記してしまったら,洒落にならないほど,ハードな思考ゲームとなるのである。
     筆者はこうしたプレイが好きなので,「数字の好きな大人」にも遊べるゲーム,といいたいところだが,原作にならって,くれぐれも「たいせつなこと」は見失いたくないものだ。そう言われてみれば,得点や勝敗に血眼になって,攻撃的なドラフトを繰り返すのは,確かに少々「おとなげない」かもしれない。


    商品名:「星の王子さま ボードゲーム 日本語版」
    日本語版販売:ホビージャパン 
    製造:Ludonaute
    価格:2730円(税込)
    ゲームデザイン:アントワーヌ?ボゥザ&ブルーノ?カタラ
    アートワーク:アントワーヌ?ド?サン=テグジュペリ
    プレイ人数:2?5人
    対象年令:8歳以上
    プレイ時間:約25分



    LPP(TM) (C)A.de Saint-Exupery Estate 2013

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    Access Accepted第363回:学術的に見たゲーム研究最前線


     ソーシャル/カジュアルタイトルやモバイル機の普及で,プレイヤー人口が増加し,さらにコミュニケーションやビジネス分野で「ゲーミフィケーション」がもてはやされるなど,ゲームの社会的な地位が向上しつつある。それにつれて,そもそもゲームとはなんなのか,娯楽以外に,どう利用できるのか,といった本伽蛘{べようとする研究者も増えてきた。今回は,アカデミックな視点でどのような研究が行われているのか,いくつかの実例とその成果を紹介したい。


    真面目な研究の対象になりつつある「ゲーム」


    最近ではあまり聞かれなくなった「暴力ゲーム論争」だが,論争そのものが“ピントはずれだった”とする研究も出ている
     コンピューターゲームとはくだらない遊びであり,それをすることに価値がないとされたのは,もう昔の話。昨今では,ゲーム業界が過去40年にわたって培ってきたノウハウが,例えば「ゲーミフィケーション」などの成果として,社会に貢献したりといったことが怒っている。モバイル向けのカジュアルゲームやソーシャルゲームの普及により,「ゲーム=バイオレンス」という偏見も薄れてきた。

     本連載では,第296回のや第335回などで,重度の障害にも関わらずゲームを楽しむ人や,問題をゲーム化することで難問を数日間で解き明かしてしまった例など,ゲームのポジティブな側面を紹介してきた。単なる娯楽にすぎなかったゲームが,我々の生活向上に貢献できることが,広く一般にも認知されつつあるわけだ。

     こうした流れを反映してか,大学などの専門家がゲームを利用して研究を進めたり,ゲームそのものを研究するといった事例が増え,その結果を一般メディアが取り上げることも多くなっている。もちろん,ゲームにとってポジティブなものばかりではないが,そこには「ああ,またゲームを知らない人が何か言ってるよ」という雰囲気はなく,個人的には,ゲームが映画や音楽と同様の市民権を得つつあるように感じられる。

     というわけで今回は,欧米の大学や研究機関から発表されている,ゲーム研究の成果をいくつかピックアップして紹介したい。中には,「果たしてこの研究に何か意味があるのか」と思えるようなものもあるかもしれないが,ゲーム研究の多くが端緒に付いたばかり。今後の発展にも期待しつつ,軽い気持ちで目をとおしてほしい。


    ?ゲームで児童の成績が向上する


     ミシガン大学の心理学者であるSusanne Jaeggi博士らの報告によると,パズルゲームなどを日常的に行うことによって記憶力が向上し,学校の成績も良くなるという調査結果が出た()。
     これは,小中学生62人を二つのグループに分け,1日15分,1か月にわたって知識やボキャブラリーの記憶練習をするという実験で,1つのグループは通常の問題用紙を使い,もう1つのグループは,ゲーム化された賳枻舜黏à毪趣いπ问饯切肖铯欷俊¥饯谓Y果,ゲームを使ったグループのほうが,実験後に行われたテストの成績が良かったという。

     「問題用紙に比べて,ディスプレイを見ているほうが集中できる」というのが博士の見解。
     ちなみに,効果が見られるのは,ゲームの操作に慣れていることが前提になっている。ゲームに不慣れな児童の場合は,賳枻舜黏à肭挨衰榨楗攻去飑`ションが溜まってしまうようだ。


    ?就寝前の暴力的ゲームは浅い眠りの原因に


     仕事や学校が終わって自宅に帰り,就寝前のちょっとした時間でゲームを楽しむという人も少なくないはずだが,ゲームは睡眠の伽舜螭视绊懁蛴毪à毪趣いφ{査結果が発表されている。
     これは,オーストラリアのフリンダース大学の大学院生,Daniel Kingさんが,によるもので,就寝前の150分間,暴力的なゲームを遊ばせたところ,平均で39分の入眠遅延が発生し,また,REM睡眠(身体は休息状態だが,脳が活発に活動している睡眠状態のこと)の時間は12分減少したという。

     ゲームを150分間プレイするというのは長すぎるような気がするが,それはともかく,Kingさんの指導を行ったMichael Gradisar教授によると,REM睡眠はその日の出来事や考えなどをレビューする貴重な時間であり,就眠前のゲームをやり過ぎは,次の日にも悪影響を与える可能性があるという。もっとも,「非暴力的なゲーム」を使った対照実験が行われておらず,さらに「就寝前に50分間,DQ10 RMT,暴力的なゲームをしても,睡眠には影響がなかった」という結果も同時に出ているとのことで,結論は簡単に出せないようだ。


    ?PTSDに苦しむ兵士を,ゲームでセラピー


     アメリカ心理学会所属のKelli Dunlap氏が,ゲームコミュニティであるTwitchやハードウェアメーカーのAlienwareなどの協力を得て行っているのが「Leveling Up」という実験だ()。実験によれば,PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ兵士達にゲームをプレイしてもらうことで,ある程度の回復が見込めるという。

     2003年から始まったイラク侵攻では,従軍した兵士の実に35%に,なんらかのトラウマ,また,うつ病の徴候が見られたと言われる。そうした人々の社会復帰は,アメリカ社会において大きな問題になっているが,Dunlap氏は,ボランティアとして参加したPTSD患者にゲームをしてもらい,レベルやミッションを段階的に複雑にしていった。そして,1つステップを上がるごとに報酬を与えたという。

     ゲームはもともと,何度もトライすることで上達し,できなかったことができるようになる。そういう「レベルアップ」の達成感を,セラピーに利用しようという試みなのだ。


    ?ゲーマーにも見られる「マクベス効果」


     スコットランド王ダンカンがマクベスによって殺されたあと,夫をそそのかしたマクベス夫人は,自分の手についた目に見えない血を必死に洗い落とそうとする。このような,罪を洗い流そうとする心理的な動きを「マクベス効果」と呼ぶのだが,暴力的なゲームで遊んだゲーマーにもこれが見られるという。

     これは,ルクセンブルグ大学のAndre Melzer博士がで,まず暴力的なゲームを遊ばせ,その報酬として用意されたさまざまなアイテムから自分の好きなものを選ばせたところ,多くの人がシャンプーや石鹸などを手に取ったという。
     Melzer博士は,「反道徳的な行為をしたあと,洗浄を求めようとするマクベス効果は,ゲームにもあてはまる」と述べている。マクベス効果は,暴力的なゲームになじみのない人ほど顕著であり,「バイオレントな描写に慣れた人は,罪の意識と向き合うそれぞれのテクニックを開拓しているようだ」と博士は分析している。激しく戦ったあと,ふと手を洗いたくなったら,それはマクベス効果のせいなのかもしれない。


    ?暴力ゲーム論争は意味がない


     スウェーデンのヨーテボリ大学の研究チームは「ゲームはプレイヤーに対して協調することを学習させるだけでなく,複雑な文脈やコンセプトを理解しやすくさせる」という趣旨の調査結果を,という論文にまとめて公開した。

     数百時間かけてオンラインゲーマーのプレイの様子や,その後の経緯を観察した研究チームは,たとえ暴力性の高いゲームでも,プレイヤー達はチームを組んだり協力したりすることで,ro rmt,さまざまな問題に立ち向かうための協調の原理を学ぶという。さらに,ゲームをうまく進めるため,内容を深く理解しようという向上心が養えるとのことだ。

     研究によると,良いゲーマーとは戦略的に考えることができ,技術的なスキルを持っている人のことであり,イライラしたり攻撃的になるプレイヤーは,ゲームがうまくない人が多いという。良いプレイヤーになるためには落ち着いてプレイする必要があり,それが人間性に良い影響を与えるというわけだ。
     また,この論文には「ゲームの暴力的内容が性格形成に影響することを証明するのは,難しい」とあり,暴力ゲーム論争に疑問を投げかけている。


    著者紹介:奥谷海人
     4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。

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